西宮市における障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領 目指す姿 本市では、「ともに生き ともに支えあう 共生のまち 西宮」をまちの将来像として掲げ、障害のある人もない人も、全ての人が互いに人格と個性を尊重し合いながら、住み慣れた地域で安心して暮らせる“共生のまちづくり”を進めています。 西宮市 令和8年9月1日改訂 1 対応要領の趣旨 この対応要領は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「障害者差別解消法」という。)第10条第1項の規定に基づき、西宮市の事務・事業の実施にあたり、障害を理由とする差別を行わないよう、本市職員が対応するための基本的事項を定めるものとする。 〇法の趣旨(障害者差別解消法第7条、8条) ・不当な差別的取扱いの禁止   国の行政機関、地方公共団体など:法的義務   民間事業者など(営利・非営利):法的義務 ・合理的配慮の提供義務   国の行政機関、地方公共団体など:法的義務   民間事業者など(営利・非営利):法的義務※     ※障害者差別解消法の改正により、令和6年4月1日から、努力義務から法的義務となったもの 【障害者差別解消法第10条第1項(地方公共団体等職員対応要領)】 地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、基本方針に即して、第七条に規定する事項に関し、当該地方公共団体の機関及び独立行政法人の職員が適切に対応するために必要な要領を定めるように努めることとする。 2 対象となる職員 市長事務部局、監査事務局、選挙管理委員会事務局、公平委員会事務局、農業委員会事務局、固定資産評価審査委員会事務局、教育委員会(県費負担教職員を含む。)、議会事務局及び消防局に所属するすべての職員(以下「職員」という。)をいう。 3 障害を理由とする不当な差別の解消の推進に関する基本的事項 職員は、障害を理由とする不当な差別的取扱いを行わないようにするため、また、社会的障壁を除去する合理的配慮を適切に行うため、以下の基本的事項を踏まえて取り組むこととする。 〇不当な差別的取扱い 不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害を理由として、障害のない人と比較して区別・排除・制限及び条件を付ける等の異なる取扱いをすることであって、障害のある人の権利や利益を侵害するものである。 「障害を理由として」とは、障害を直接の理由とすることだけでなく、社会的障壁を解消するための手段(車いすや補助犬その他の支援機器等の利用や、介助者の付添い等)の利用を理由とする場合も含まれる。 なお、その取扱いが、客観的に見て正当な目的で行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える正当な理由がある場合は「不当な差別的取扱い」には当たらないが、このときも障害のある人には、一部制限する正当な理由を丁寧に説明して理解を得るよう努め、互いに相手の立場を尊重しながら相互理解を図ることが求められる。 (参考)不当な差別的取扱いに該当すると考えられる例 ※具体的な場面や状況に応じて総合的・客観的に判断する必要があるため、一律の正解ではなく、あくまで一例であることに留意する。 ○障害があるからという理由だけで、一方的に窓口の対応を拒否する。あるいは、特に支障がないにもかかわらず、付き添い者の同行を求める。 ○知的障害等があることを理由に、説明をしてもわからないと勝手に判断して、書面や資料の提供を拒んだり、通常必要な説明を省いたりする。 〇障害があることを理由として、障害のある人に対して、言葉遣いや対応の態度など、接遇の質を下げる。 ○聴覚障害がある児童が、音楽会に参加することを希望した場合に、音声が聞き取れないことを理由に参加を断る。 ○身体障害があり、車椅子を使用している児童が、運動会に参加することを希望した場合に、車椅子を使用していることを理由に参加を拒否する。 ※市が主催・後援する事業に手話通訳や要約筆記を希望する方が参加される場合、所管課から障害福祉課への依頼を通じて情報保障者を公用で派遣することができます。 (参考)正当な理由があり、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例 ※具体的な場面や状況に応じて総合的・客観的に判断する必要があるため、一律の正解ではなく、あくまで一例であることに留意する。 〇強度行動障害により、パニックが起こると目に入った備品を破壊する恐れがある人を対応する際、あらかじめ周辺の備品をロッカーに入れておく。(行政機関の損害発生の防止の観点) ○ハサミを使用して紙を加工する工程がある講座において、身体障害により、ハサミを使用することができない人が、無理にハサミを使って怪我をしないように、あらかじめ加工した紙を用意しておく。(障害者本人の安全確保の観点) 〇合理的配慮の提供 ①合理的配慮とは 合理的配慮は、個別具体的な場面において、障害のある人(障害の状況により自らの意思を表明することが困難な場合に、その家族や支援者等が本人を補佐して意思を表明する場合を含む。)から社会的障壁を取り除くための配慮を必要としている旨を伝えられた場合に、対応が求められるものである。なお、合理的配慮の提供に伴う負担が過重である場合には、その提供について法的義務は課せられないこととされる。 ただし、その場合であっても、配慮を求める障害のある人と協議し、過重な負担とならない別の方法で合理的配慮の提供に努める必要がある。なお、障害のある人から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明がない場合においては、法的義務は生じないが、障害者差別解消法の趣旨に照らし、自主的に適切な配慮を行うことが望ましい。 さらに、合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変わり得るものである。合理的配慮の提供に当たっては、障害がある人の性別、年齢、状態等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する。 (参考)望ましい合理的配慮の例 ※望ましい合理的配慮のあり方は、障害特性やそれぞれの場面・状況に応じて様々なため、あくまで一例であることに留意する。 <物理的環境への配慮> ○配架棚の高い所に置かれたパンフレット等を取って渡す。パンフレット等の位置を分かりやすく伝える。 ○弱視などの障害特性によりスクリーンや板書等が見えづらい人のために、会場の座席位置を最前列にする。 ○不随意運動等により書類等を押さえることが難しい障害がある人に対し、バインダー等の固定器具を提供する。 〇身体障害があり、車椅子を使用している児童が在籍する学校に対して、スロープの設置や段差解消の施設改修を行う。 <情報の取得、利用及び意思疎通への配慮> ○筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字等、意思伝達に有効なコミュニケーション手段を用いる。 ○視覚障害のある出席者に会議資料等を事前送付する際、読み上げソフトに対応できるよう電子データ(テキスト形式)を提供する。 〇書類記入の依頼時に、記入方法等を本人の前で示したり、分かりやすい記述で伝達したりする。 ○会議の進行に当たり、聴覚障害や知的障害等の障害特性により、説明を聞いて理解するために時間を要する出席者に配慮し、ゆっくり・丁寧な進行を心がける。 〇書字障害のある児童が、板書を写したり連絡帳を記入したりする際、GIGA端末のカメラ機能を活用して写真に撮り記録することを認める。 <ルール・慣行の柔軟な変更の配慮> ○知的障害等の特性上、落ち着いて順番待ちができない人に対し、周囲の者の理解を得たうえで手続きの順番を入れ替える。 ○他人との接触、多人数の中にいることによる緊張等により、発作等がある場合、障害の特性や施設の状況に応じて別室を準備する。 ○非公表情報等を扱う会議等において、情報管理に係る担保が得られることを前提に、手話通訳者等の同席を認める。 (参考)合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例 ○会議や試験等の場において、筆記が困難なためタブレット等の電子機器の使用を求める申出があった場合に、前例がないことを理由に必要な調整を行うことなく対応を断る。 ○移動に際して支援を求める申出があった場合に、「何かあったら困る」という抽象的な理由で具体的な支援の可能性を検討せずに支援を断る。 ○聴覚障害等の障害特性から電話以外の連絡手段を求められた場合に、メールや電話リレーサービス等の具体的な代替措置の可能性を検討せずに対応を断る。 ②過重な負担の考え方 合理的配慮の内容によっては、配慮する職員側の負担が大きくなる場合もあることから、次のことを勘案したうえで、重過ぎる負担が伴う場合は、その提供について法的義務は課せられない。 ○事務又は事業への影響の程度(事務又は事業の目的、内容、機能を損なうか否か) ○実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) ○費用・負担の程度 ただし、これらは個別の事案ごと、状況に応じて客観的に判断する必要があることから、職員と障害のある人の双方が、お互いに相手の立場を尊重しながら、建設的対話(後述③参照)を通じて相互理解を図り、代替措置の選択も含めた対応を柔軟に検討することが求められる。 (参考)合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例 ※この場合も、正当な理由を丁寧に説明して理解を得るよう努め、互いに相手の立場を尊重しながら相互理解を図ることが求められる。 〇抽選申込みとなっている講座の参加について、抽選申込みの手続を行うことが困難であることを理由に、受講資格を事前に確保しておくよう求められた場合に、対応を断る。 ○イベント当日に、視覚障害のある者から職員に対し、会場内を付き添ってブースを回ってほしい旨頼まれたが、混雑時で対応できる人員がいないことから対応を断る。 ○身体障害があり、車椅子を使用している児童から、2階の図書室に本を借りに行きたいため、小学校にエレベーターを設置して欲しいと意見があった。工事業者や予算の都合で対応ができないため、休み時間に教員が借りたい本を借りに行き、児童に手渡した。 ○発達障害があり、聴覚過敏がある児童が防音の部屋で授業を受けたいと希望したが、防音の部屋をすぐに用意することができないため、イヤーマフの使用やできるだけ静かに授業を進めることを提案した。 ③建設的対話とは 社会的障壁を除去するために必要かつ実現可能な対応案を、障害がある人と職員が共に考えていくために、双方がお互いの状況の理解に努めること。例えば、障害のある本人が普段講じている対策や、行政機関として対応可能な取組等を対話の中で共有する等、対話を通じて相互理解を深め、柔軟に検討していくことが円滑な対応につながる。 ④情報環境の向上 障害のある人が円滑に利用できるよう市有施設の構造の改善や設備の整備に努めるとともに、本市からの各種制度や施策に関する情報を提供する。また、情報提供の際には、障害のある人が利用しやすいよう情報アクセシビリティの向上に努める。 (参考)情報アクセシビリティ向上の例 〇視覚障害 ・文書を点訳(点字文書化)する。 ・パソコンの音声読み上げソフトで利用できるようテキストデータで提供する。 ・通常の文書より文字を拡大する。 ・文書に音声コードを添付する。 〇色覚障害 ・印刷物に複数の色を使う場合は、色が見分けやすいように色の組み合わせに配慮する。 〇聴覚障害 ・手話通訳、要約筆記、ノートテイク(筆談) 〇知的障害 ・文書にルビを付ける、文書だけでなく絵や図を使う。 5 障害を理由とする差別相談窓口の整備 障害を理由とする差別に関して、障害のある人等からの相談に応じるとともに適切な措置を講じるため、相談窓口を下記のとおり設置する。 市長事務部局:障害福祉課 教育委員会:教育総務課 消防局:総務課 選挙管理委員会事務局:選挙管理課 監査事務局:監査事務局 公平委員会事務局:公平委員会事務局 農業委員会事務局:農業委員会事務局 固定資産評価審査委員会事務局:税務管理課 議会事務局:総務課 6 職員の理解促進のための研修・啓発 差別の原因として、障害に対する無理解や偏見等が指摘されていることから、職員は障害や個別の特性に応じた配慮、社会的障壁の除去の必要性等に関する理解を深めるための研修や催しに積極的に参加する。 7 職員の懲戒について 職員が障害のある人に対して、不当な差別的取扱い又は過重な負担がないにもかかわらず合理的配慮の不提供の事実が確認された場合、その態様によっては市民への信用失墜行為などに該当し、地方公務員法第29条(懲戒)の規定に基づき、「西宮市職員の懲戒処分に関する指針」等に照らして懲戒処分等に付されることがある。