令和7年度国際交流事務研修生が北山緑化植物園を紹介します
更新日:2025年11月14日
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実施日:2025年11月13日


西宮市の皆さん、こんにちは。
中国紹興市から参りました、令和7年度国際交流事務研修生の鐘一沁(しょう・いっしん)です。
立冬を過ぎ、朝夕の寒さが身に沁みるころとなりましたが、今回は美しい秋の北山緑化植物園をご紹介いたします。
車で到着し、最初に目に飛び込んできたのは、駐車場のすぐそばにたたずむ柿の木でした。
まるで秋の深まりを告げるように、ほんのりと温かな明かりがともっているかのような柿が、きれいなオレンジ色をして、枝から垂れていました。
中国では「柿」は「事」と同じ発音をすることから、「柿柿如意」という縁起のいい言葉があります。これは、「何事も思うように運ぶ」という願いが込められているのです。
だから、このきれいに成熟している柿を見て、「今日はきっと良い日になる」と感じました。
植物園に入り、静かな小道を抜けた芝生には、かれんな十月桜が咲いていました。
きれいな噴水の傍らには、秋のバラも目を引くように咲いております。
さらに奥へ進むと、どんどん赤く染められた紅葉が見えるようになりました。
ふっと足元を見ると、水面に散り浮かぶ紅葉の姿が、あの「からくれなゐに、水くくるとは」という和歌を思わせました。
もっと奥に進むと、北山山荘にたどりつきました。
庭園に入る前から、鮮やかに色づいた紅葉が屋根を越えて顔をのぞかせ、その姿を表していました。
順路に従って園内を巡ると、きれいな風景が目の前に広がりました。
北山山荘の紅葉は、今まさに見頃を迎えています。
かすかな斜光が山荘の庭を照らし、通り抜ける風が紅葉の葉っぱをそっと揺らすたび、その赤みと輝きを一層引き立たせます。
赤、橙、黄、そして所々に残る緑。数えきれない色の階調が、静寂な庭園で鮮烈なハーモニーを奏でているかのように思わせました。
庭園の隅には「水琴窟(すいきんくつ)」が設けられており、その傍らに立って、自然がためらいなく「染め上げた」絵画を眺めながら、静かな空気の中に包まれ、幸福感に満たされます。
カメラにはなかなか収め切れない程の美しさです、どうか、ご自身の足で風景を確かめにお越しください。
実りの秋の喜びと、移ろう季節の切なさ、そして燃えるように鮮烈な紅葉の輝き――それらを思う存分に味わった午後となりました。